人文系の本を読んでいくこと

空いている時間をどう使っていくかによって、人生は豊かになっていくことがある。私は今は音楽に熱中しているが、若いころ10代の終わりから20代前半にかけて、純文学や哲学などの人文系の本をたくさん読んでいた。この経験は私の精神面を豊かにしてくれたし、リテラシーの改善にもつながったと思う。


ゲームをして過ごすのも楽しいし、軽いミステリー小説を読むのも有意義な時間ではあると思う。しかし、それでは経験の総体に積み上げていくという点に関しては空疎になってしまいがちで、必ずしも人生の価値を高めていくことには繋がっていきにくい。


人文系の本には読むのが難しいような本もあるが、色々な言説がたくさんつまっている。単に娯楽として面白い話や文章があったりするだけでなく、本と一緒にそのように考えることによって自分の心に身についていくような言葉がたくさんある。そういう言葉を吸収していくことによって、心が豊かになっていくし、知識もついてくることになる。


どの本も一定の独立性を保った作品ではあるものの、それを読んでしまえばそれだけでその本は終わりというものではなく、精神に記憶として残っていくだけでなく、知識として残るので、~の本でニーチェが~に言っていたと言うことを覚えていると、他の本でニーチェについて出てきて、さきほどの知識があったからこそ読める読み方をすることにより、より豊かな解釈を得ることが出来る。その集積で、単に一つ一つの本が単独で存在していたのに触れたというのではなく、人類の人文系の財産の総体に読み手が参画していくことになり得る。だから、色々と呼んで知っておく言葉や考え方が多ければ多いほど、新しいその方面の本を読むことにおいてもより興味深い体験をすることができて、精神は豊かになっていくということが起こる。


音楽もやればやるほど出来ることであったりが増えていくし、聴き方も良くなっていくもので、一つ一つ過ごした時間というものが無駄にならず、次に生きていくが、人文系の本を色々と読み込んでいくことも同じことが言えて、どの読書も他のあれこれの読書に生きていくので、趣味や時間の過ごし方として空虚さが感じられず、有意義なことであると思う。


ただ空いた時間を過ごすにおいても、それをやったらただ楽しかっただけで活動の結果が消えていくものではなく、毎回それを実行することによって積みあがっていくもので、過ごしていくことは非常に価値のあることであると思う。私も、若いころたくさん本を読んでいてよかったと思うので、音楽だけでなくまた読書の空間に入っていけたらなと思う。色々と辛いことの多い人生なので、虚無に陥らないためには、得るものが大きく取り組み甲斐のあるもの、意義を感じることをしていたいと思う。人文系の本というのはそれに適したものであるに違いない。考え方が増えることによって少なくとも精神面での苦痛を減らしていけるのではないかと思われるし、何よりも自分以外の精神的な営みに参加することによって虚無感や孤独感を軽減できるものだと思われる。

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ラクガキ (※不気味・Sensitive/Nudity・グロ注意)

数年前~今日、描いた落書きたち。 ※センシティヴ・グロ・性的表現あるので注意です※  耐性ある方は、  ↓Click↓