2ちゃんねるの思い出…

1~2年だけ期間限定で2ちゃんねらだったことがあります。

そのころ18歳か19歳、テクノロジー犯罪の被害を直撃しはじめて数か月たったころ、大学で勉強したくて仕方なかったのに、受験勉強を妨害され、というより生活をほぼ完全に破壊され、電磁波で脳を操作されまくってまともに生存することが困難だった。併せて、若く多感の頃の苦悩の多い神経で被害で滅茶苦茶にされていたころから、鬱病を発症していて、精神的苦痛の中で悶えていた。その中でも大学教育を受けて色々な知の扉を開きたいという欲求は強く、受験勉強は思いっきり阻害されていたのと、精神的な苦悩の状態では哲学を読むことに相性がよかったことで、哲学や文学に熱中していたが、一人でやるのも刺激が足りないし、まわりには哲学について話せる友人知人がいなかったのとで、ネットに手を出そうと思い、なんとなく2ちゃんねるの哲学板に投稿を開始した。

煽情的な比喩表現を多用しながら、色々な思考を長文で投稿していると、意外にレスポンスがよく、たくさんのレスが殺到し、その半分くらいは2ちゃんねるでよくある叩きで、それに対しても逐一、反論をなるべく哲学的に返していた。毎回、2ちゃんねるの投稿の文字制限限界の長文を、8禁(一定時間以内に8レスを超える投稿をできないこと)に抵触しながら、大量投稿を繰り返していて、批判の3行レスが飛んで来たら、5分で30行のレスを飛ばしたりとしていると、色んな名無しさんから賛否色々なレスが来るようになり、数か月後には哲学版のいくつかのスレッドを私物化して、有名なコテハン(固定ハンドル)と化し、何人かのコテハンとは仲良くなり、哲学談義をするようになっていて、2ちゃんねるが遊び場になってしまっていた。

2ちゃんねるは、悪い面、匿名で投稿できることから、投稿内容が事実性の面でも道徳倫理の面でも無責任であり、誤情報や中傷が飛び交ったりしているが、匿名で気軽に投稿できるということから、無名のディレッタントが哲学板には自分の考えを無数投稿していて、あくまで2ちゃんねるの中ではまだ教養レベルの高いほうである哲学板では、それなりに面白い考え方が漂いまくっていて、読むだけでも楽しめることがある。普段は言えない、個人の独自の考え方を責任やアイデンティティを伴わずに軽く表現し共有できる点は、匿名掲示板のいい点であるかもしれず、色んな発想や表現をキャッチできてそれなりに有意義な場所ではあると思えた。また、アカウントがありハンドルネームがあるSNSでは、他人の意見や考えに対する懐疑や批判を返信として述べるのは多少以上気が憚られるが、匿名でアカウントのない2ちゃんねるの、少なくとも哲学板では、もちろん2ちゃんねるらしい叩き合いがあるものの、それぞれの投稿に対する批判、反論、解釈がさかんにレスとして行われ、議論になることもあり、思考の発展や新解釈の発見に繋がったりと、知的活動として多少以上は有意義であるような一連のやりとりも行われることがあった。

そういう匿名故の無責任さと自由さが奔放に開放されている場で、私は固定ハンドルとしてあれこれの考え、哲学者の思想に対する解釈、言語について、精神について、宗教について、意識の構造について、芸術・文学について、たくさん投稿していて、ある程度は遊びつつも真面目に書くことを心がけ、叩きや批判のレスにも丁重に敬語で誠意を見せつつ反論していたら、2ちゃんねるらしくなくなってきて、固定ハンドルが周りにたくさん現れ、名無しも叩きを行ってくることが少なく、あるスレッドがSNSのように機能しつつ、支持者が出てきて、ファンも出てきて、人が集まり、それぞれの人が自分の考えを述べるようになり、一種の交流のクラスタが生まれ、闊達な議論が繰り広げられることもあるようになった。私個人としては、テクノロジー犯罪の被害がそれによって解決に向かいどうかなるということはなかったが、受験勉強に比べてあまり加害者が妨害してこなかったのか他者とのフィードバック体系を共有した知的活動を行うことができて楽しく、また哲学や心理学などを深く追及することにもつながり、鬱病の方は快方に向かっていくことになった。

そこで二人の天才に出会った。一人は主にショーペンハウアーやニーチェなどの哲学者の思想について意気投合し、その他、自然や文学についても共感を得ながら、たくさんの議論をすることが出来た。大変頭の良い方で、小学校の時に最高値が145しかでないIQテストで145をマークした方で、私の個人趣味で深く追及していた独自の考え方や、比喩表現を多用する文章を、的確に理解してくださり、そのときの酷い孤独の状態を和らげてくれ、生まれて初めて人間・自然・宇宙・哲学などについての深い考えを共有できる人となった。また年上だったので、世間知的にも教えられることが多く、おかげで人として成長することができたと思う。スカイプで音声会話をたくさんすることもあり、日常についてもたくさん話すことができる年上の友人となってくださった。

もう一人は、非常に高いIQを持ちながら2ちゃんねるで10年間遊び続けている孤独な天才であり、ワーグナーこそ最高のオカズだと豪語するイカれた男、なかなかの変態で、また哲学よりも芸術やアートの世界に親和性の高い精神構造や感覚の性質を持っており、ピアノやギターが上手で、芸術やクラシックやロックの評論については素晴らしい表現がたくさん出てきていたりして、どちらかというと感覚・感性の面での天才と言っていい人物であった。

その後者の人は警戒心が強く、音声で会話することを私は拒否され、あまり個人的なことは話させてくれなかったが、2ちゃんその他掲示板上でお互いの詩や絵を評論しあったり、ロックについて文字で話したりと、それなりに楽しい芸術活動を遊びでしていた感じであった。しかし、彼とニーチェの哲学の解釈について反目し、そこから喧嘩が始まって、2ちゃんねる上でも滅茶苦茶な批判のしあいをするようになった。一時期、哲学板の某スレッドが、私と彼が言葉で戦闘するような場所になり、スレッドを私物化しつつ、~派と~派まで現れ、名無しやその他のコテハンを巻き込んで喧嘩していた状況になった。

私はそれまでに哲学板の住人から支持をあつめていたため、加勢してくれる人も現れ、また感性においては彼の方がレベルが高かったが哲学については私の方が上回っていたため、そのネット上の激戦の中で私が優勢であったが、だんだんとネット上で喧嘩や批判の仕合をしているうちに気がおかしくなってきた。それと相まって、アルコールにハマっていたことと、またテクノロジー犯罪加害者が喧嘩による錯乱に乗じて加害を強めてブレインジャックなどを行ってくるようになったため、だんだんと私の言行は乱れていった。

そしてそれが極まったとき、私は橋から飛び降りて、背骨を骨折し、救急病棟へ運び込まれた。それがテクノロジー犯罪によるブレインジャック・ボディジャックによる加害であったのが、私の気がおかしくなっていたため酒酔いも乗じて奇行を行ったのか、不明ではあるが、とにかく救急病棟で大きな手術を受け、奇跡的に後遺症なく骨折による重体からは復帰できたが、飛び降りたということから、精神科に移された。

そのことを病院内で日記に書くと、喧嘩していた相手のネット上の彼女さんであり、また私とネット上で仲良くもなっていた人が、びっくりして、半ば心配しながら、半ば嘘だと疑いながら、私の家の電話番号を知っていたので私の母に対して、ヒステリーになって電話をかけてくるという事件が起こった。それで、本当に私が背骨骨折の重体になっていたことが事実として相手方の知るところとなると、ネット上の喧嘩も終息し、私が哲学板に書き込むことは、入院中も退院後もなくなった。

その非常に才能のある二人に出会えた中の、前者の方とはいいことだらけであったが、後者の喧嘩相手とは滅茶苦茶をやっていて、ネットというのは、とくに2ちゃんと言うのは、大概なものであると、哲学的談義の熱中から醒めてからは見切るようになり、ネットを検索以外でコミュニケーションの場として利用する事自体それ以降10年近くほとんどなかったのであるが、今となっては、喧嘩での相手に対する嫌悪感がなくなってみると、なかなか面白い人物に出会えたなと、そこそこよかった思い出になっている。

2ちゃんねるみたいな叩き合いで悪名高い場所も、使い様によっては面白くなるものであると思えた。毎日のように、字数制限・投稿数ぎりぎりの分量の哲学についての言葉を投稿し、他者からのフィードバックが多く、それに対しても返答していたことから、言語によって、自分の考え、難しい思考の対象に対する解釈などを、記述する能力を上昇させることもできたので、少しは有意義であったように思える。今となっては縁が切れてしまったが、ネット上の哲学・文学・音楽好きの友人も複数人できたし、その時別の場所で書いていた詩やエッセイや論文の読者も獲得することができたし、ネットも有用に使おうと思えば使えるものであると思えた。特に、哲学はそれほど趣味としている人の絶対数が多くなく、現実生活で哲学について多く話し合える人を見つけることはなかなか困難であり、話したくても話せなくうずうずするその欲求不満を、ネットの特定の趣味クラスタが集まるような場所においては、比較的容易に解決できるものであると思えた。大学生活をテクノロジー犯罪によって奪われていた私にとっては、青春期に知性を開放させる場としてまあまあいい場所であり、言語表現や議論を行いつつ哲学を深めていくうちに、テクノロジー犯罪の方がそれによって軽減することはなかったが、鬱病の方がほぼ全治して特に苦悩することがなくなったので、いい治療であったかもしれない。

ラクガキ (※不気味・Sensitive/Nudity・グロ注意)

数年前~今日、描いた落書きたち。 ※センシティヴ・グロ・性的表現あるので注意です※  耐性ある方は、  ↓Click↓